年次改革要望書08 ≫2008.12.15 [Mon]

霜が降りて寒かった今朝。朝日がまぶしい良い天気の鹿児島。

今日は久しぶりにお堅いお話。

「年次改革要望書」

アメリカ政府が日本政府に改革改善を「要望」する事柄を記した文書。

要望とは名ばかりの宗主国アメリカによる植民地・日本に対する政策命令書に等しいもので、

１９９４年以後、毎年１０月に出されてきた。近年暴露されてきたのはこの指南書を実現するために、

日本政府が奔走する異常な関係である。今回の要望書では通信、情報技術、医療機器・医薬品、

金融サービス、競争政策、商法および司法制度、透明性、農業、公社の民営化、流通などについて

膨大で詳細な要求を突きつけている。ｂｙ、長周新聞

 

例えば農産物、食品輸入に関連して言えば、国際基準を適用し農産物輸入を緩和することを要求。

規制緩和特区制度を全国に展開すること。保険を提供する組合（共済）に民間の保険会社と

同様の義務を適用した民間企業と競争させること、とした。

郵政民営化では貯金と保険については「新しい郵政機関が民間企業と同じ納税義務、法的義務

および規制義務を満たし、また同じ監督基準の適用対象になることを確保する」とした。

加えて、貨物輸送関係でも通関手続き厳格化、保険商品の民間企業との対等な競争条件確立。

通信では「ＮＴＴの再編にに関する日本政府の取り組み」と指摘。外資系が参入しやすいように改革しろと

いうこと。

その他「日本における国境を越えたＭ＆Ａの推進」、「外国企業が日本企業に転換する簡易な手続き

の導入」、「外国法律事務弁護士による専門職法人の設立を許可し、

全ての弁護士が日本全国に支店を設ける事を認める」などなど。

「年次改革要望書」は１９９３年のクリントンー宮沢会談で合意、翌年から毎年１０月に提出される。

基本的には両国の双務的意見書のはずだが、実態は一方的な政策命令に他ならない。

アメリカによる日本市場明け渡し要求が主な内容となっている。

中国語ではアメリカを「美国」(Meiguo)(めぃぐぅお)という。

美しい国、その名に恥じぬ国になってもらいたいものだ。